米粉スイーツの秘訣
- 2019.03.30 Saturday
- 22:32
安全農産オリジナル無農薬米粉を使ったスイーツを、これまでに2回ご紹介してきました。
オリジナル米粉でケーキづくり! オリジナル米粉でクッキーも!
さらに、米粉スイーツのひみつをもっと知りたいあなたのために、プロからコツをいろいろ伝授いただきました。
教えてくれたのは、自家製粉米粉スイーツを販売されている滋賀県の「ショップマドレ」の元看板娘の一人、高木あゆみさん(木下実験室主宰)です。米粉スイーツの他、野草料理や自家製生テンペを使った料理などを展開されている職人肌の素敵な料理人さん。
(ショップマドレは、2/24の「全国有機農家らのここだけマルシェ」に出店してくださっていました)。
【米粉のスイーツづくりのコツ】
●小麦粉・片栗粉で作れるものは、だいたい米粉で代用できます。
(細かく言うと製粉の方法によって変わります)。
生地が軽やかに仕上がるので、シュークリームなどにも合います。
中のカスタードクリームにも使えます。
●玄米粉は、“白米粉+ぬか”なので、油分が多くて、少し苦味が加わります。
全粒粉のようなイメージで、ケーキ・マフィンなどの焼き菓子系には合うでしょう。
シフォンやシュークリームのように軽く仕上げたいものには、玄米粉でもいいですが、白米粉の方が向いています。
逆にヴィーガンスイーツ(卵や乳製品なし)の重めの生地のものは玄米粉の方が油分がよい感じに作用して餅っぽくなりすぎません。
(同じ意味で、天ぷらの衣には玄米粉ではなく白米粉が合います)。
●米粉のお菓子のコツは、水分量がすべてです。
扱いやすくしようと水分を増やすとケーキ類は餅化しますし、クッキーやサブレはギシギシしがちです。
●小麦粉のレシピをベースにするなら、米粉で代用する時は粉類の80%以下くらいに留めた方がよいでしょう。
(製粉方法によって割合が変わります)。
残りの20%は、
アーモンドプードル、おからパウダー(乾煎りおから)、胡麻パウダー、
きな粉、ココナッツファイン、フラックスシード(亜麻仁)パウダーなどを混ぜます。
米粉100%で作ると、生地が餅化してもっちもちになる可能性が高くなります。
生地に油分と空間を与えて餅化とギシギシを防ぐというのがポイント。
●クッキーやサブレ、タルト台は難易度高し。
水分を入れるとギシギシに、油分のみでまとめるとバラバラに。
水分なしでオイルでまとめるほろほろ系のスノーボールなどは、手間ですがおいしくできます。
教えていただいたのは以上です。
なお、経験則によると、水分を「卵」にすれば、この餅化・ギシギシ問題はあっさり解決しますので米粉100%でも大丈夫のようです。
米粉を利用される方には、アレルギー対応だったり、ベジやヴィーガンでチャレンジされる方が多いから、卵なしとすると、上記のような様々な工夫が必要になってきます。
グルテンフリーにこだわらない方なら、米粉の生地改善に小麦粉を混ぜるのもアリです。
私はわりと、炒り米ぬかを混ぜることで餅化を防止しつつ、全粒粉的な楽しみ方をしています。
ケーキは焼くよりも、蒸し上げて「スチーム・ケーキ」にする方が出来がいいかもしれません。
あと、けっこう焼き縮みしやすいようなので、ケーキは焼き上がりにひっくり返した際にぼそんと落ちて崩壊することがあります。
また、卵なしレシピで餅化しないよう気をつけると、焼き上がりの結束力が弱く、写真のようにきれいに切り分けできずバラバラになりがちです。
いろいろと工夫してみてください。
* * * * *
ところで、お米の粉には古くから「上新粉」がありますが、「米粉」とは似て非なるものです。
どちらも「うるち米」を原料としていることに違いはありませんが、上新粉が大ざっぱに砕いたものだとすれば、米粉は繊細に微粉末にしたものと考えてください。
そのため、上新粉はだんごや餅を作るのには適していますが、ケーキのような繊細なものには向きません。
逆に、米粉でだんごや餅を作る分には支障はありません。
米粉は新しく出てきた食材ですので、品質が統一されているわけでもなく、製粉方法によって性質が違うそうです。こちらのメーカーの米粉で成功したレシピが、違う米粉を使うとうまくいかないということもあると思います。これはもう、使いながらクセをつかむしかないと思います。
特にケーキやパンに向いているとされるものに、群馬製粉の「リ・ファリーヌ」と、ミズホチカラという飼料用米から作った米粉があります。
どちらも私は使ったことはないので比較できませんが、ミズホチカラの米粉は昨年から会生産者になられたコバタケファームさんで作られているので、ご関心がありましたら尋ねてみてください。
ちなみに、安全農産のオリジナル米粉は京都市南区の図司穀粉で作られています。
非常に繊細な微粒子に加工されているそうです。
事実これまでに、ケーキ、クッキー、和菓子に挑戦して、おいしくできることは実証済みです。
次回は注文書No.43で米粉を企画予定ですので、今回の記事も参考にされつつ、米粉スイーツの世界にぜひチャレンジしてみてくださいね。
(げんころ)
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